風は味方?敵?風の影響が大きい競艇場を紹介

陸上のスプリント競技では、良いタイムが出ても風の強さによっては参考記録とされてしまう場合があります。競艇も同様で、ボートレース場に吹く風向きや強さによって、レース結果に大きな影響を与えることでも知られています。

ただでさえ、多くのボートレース場は海沿いにあり、風向きが変わりやすい環境にあります。風が及ぼす着順への影響や、コースの有利点・不利点についても紹介します。

風向きのレースへの影響

競艇のレースで、風向きの影響が大きくでるのがスタート時です。スタート時に追い風なら加速しやすいのでフライングが多くなり、向かい風なら加速しにくいので出遅れが多くなります。

また風向きや風速によって有利になるコースがあります。

追い風はイン側有利

追い風・風速0~1m

スタート時に、追い風で風速が0~1m程度なら風向きはレース結果に影響せず、セオリー通り1コースが有利性は変わりません。

追い風・風速2~3m

追い風で風速が2~3mになると2コースが有利になります。1コースの艇が第1ターンマークを旋回するときに膨らんでしまう傾向となり、そのインを2コースの艇が「差し」やすくなるからです。

追い風・風速4m以上

追い風で風速が4m以上になると、2コースの「差し」に加えて、3コースと4コースにも「まくり差し」しやすいチャンスが生まれるので、2~4コースの着順が上がる傾向があります。

向かい風はアウト有利

向かい風で風速が2m以上であれば、イン側のコースの艇はスタート時の加速に伸びがなくなります。その点、アウト側の艇は十分に加速できる助走距離を確保すれば良いので、トップスピードに近い状態でスタートを切れます。

その結果、第1ターンマークを旋回するときに「まくり」やすくなります。風速があがるほど、アウト側の着順が上がるデータがあるので注目してみましょう。

横風の影響

ボートレース場に吹く横風は、レース結果にあまり影響しないと言われています。

しかし、風速5m以上となると艇の操縦が難しくなり、レースが荒れる傾向にあります。とくに急な横風や風向きの変化では、スタートが難しくなり穴舟券も出やすくなるので注意が必要です。

1コースの有利性は変わらない?

風向きが与える着順への影響を紹介しましたが、近年はモーターの加速性能が向上しているので、その影響は小さいと考える人もいます。実際に、風速5m未満であればトップスピードにのってスタートラインを切るケースが増えています。

そこで、例えば向かい風の場合に、「追い風はイン有利、向かい風はアウト有利」のセオリー通りのオッズが設定されている場合は、逆にオッズが上がっているインコースの選手の舟券を買うのもアリでしょう。

風向きの影響が大きいボートレース場

ボートレース場の多くは海沿いに位置し、海面を利用しているコースも多くあります。その分、風向きが変わりやすくなったり、急に強くなることもあり、レースが荒れる可能性が出てきます。

風の吹き方によってレースに大きく影響を出やすいボートレース場を紹介します。

BOAT RACE 平和島

東京都大田区にある、平和島と大森の海岸の間の運河をコースにしています。東京湾の波はコースには入ってこないので普段の水面は穏やかですが、運河を船が航行したり、周囲にある高層マンションからのビル風によって、荒水面になることがあります。

風が第1ターンマークから第2ターンマークに吹く風は「チルト3度の風」と呼ばれ、「まくり」がしやすくなります。そのときは、3コースや4コースで「まくり」が上手い選手が狙い目でしょう。

BOAT RACE 平和島の公式HP

BOAT RACE とこなめ

愛知県常滑市にあり、水面は海ですがレース中は水門で閉じられるので潮の満ち引きは影響しません。しかし、年間を通して伊勢湾からの強風が、スタート地点からみて向かい風となって吹いてきます。防風ネットや、あまりに風が強いときは安定板を設置します。

向かい風のためイン側の有利性が高いので、ベテラン選手が強引にインを狙ってきます。

BOAT RACE とこなめの公式HP

BOAT RACE 大村

長崎県大村市にある日本最西端の競艇場で、大村湾に面しているので競走水面は海水です。インコースに追い風が吹きやすい構造になっていて、第1ターンマークの水面が不安定になるのでアウトコースからの高速ターンが流れてしまい、インコースの有利性が高くなります。

インコースの勝率が、他のボートレース場と比較して高いことで知られています。

BOAT RACE 大村の公式HP

BOAT RACE まるがめ

香川県丸亀市にあり、瀬戸内海に面しているので、水面は比較的穏やかです。しかし、年間を通して海からの向かい風が吹いていて、周囲には障害物がほとんど無いこともあり、風の影響をモロに受けやすいコースです。

ランクが高い選手やベテラン選手がインコースになるとオッズが偏ってしまうので、インに強い選手が固まらないように配慮している噂は知っておいて損は無いはずです。

BOAT RACE まるがめの公式HP

BOAT RACE 宮島

広島県廿日市にあり、瀬戸内海に面していて、満潮時はインコース、干潮時にはアウトコールの勝率が上がる傾向があります。また、午前中は追い風になるのでインコースが、午後には向か風になるのでアウトコースが、それぞれ有利になることが多いです。

時間帯や風向き、潮の干満が、水面の変動に大きく影響するのでBOAT RACE宮島は予想が難しい反面、当たればリターンが多くなる特徴があります。

BOAT RACE 宮島の公式HP

BOAT RACE 三国

福井県坂井市にある、北陸および本州日本海側で唯一のボートレース場です。年間を通じて向かい風が強くインコースの勝率が高いコースでしたが、2001年に第1ターンマークを変更したことで、他のコースでも勝つ機会が増えてきました。

しかし、スタートラインのコース幅が62mと比較的広いので、インコースの有利性はまだまだ高いようです。

BOAT RACE 三国の公式HP

風向きのチェック方法

レースの勝敗に大きな影響を与えかねない風向きは、現地で観戦するのであれば風向きや風速を実感できるのですが、他のボートレース場や、場外売り場、電話、ネットで舟券を購入する人は、どのようにして現地の様子を調べればよいか紹介します。

競艇場の公式サイト

ボートレース場の風について調べるのであれば、公式ホームページをチェックするのが一番手軽な方法です。ボートレース場によっては、風向きや風速以外に波高や気温、水温などの情報を掲載してくれているので、投票する前には必ずチェックしましょう。

潮見表

海面の影響が強いボートレース場であれば、風向きや風速以外にも調べたほうが良いのが、レースの時刻が満潮なのか干潮なのかということです。満潮の時間帯であれば、風速が大きいと水面が荒れやすくなり、干潮であればそこまでの影響は出にくくなります。

レース時間帯の満潮か干潮について、潮見表を公式ホームページで掲載している場合があります。掲載されていないとしても、下記の潮見表サイトからアクセスしてみて現地の様子をチェックしましょう。

おすすめ潮見表サイトはこちら

まとめ

競艇では、風向きや、風の強さによって、勝率が高いインコースが有利になったり、不利になったりすることがあります。また、風の影響が出やすいボートレース場もあり、競艇は知れば知るほど、着順を予想するための情報量が多くなり、それが醍醐味でもあります。

しかし、風向きは時間によって変化する場合が多く、その情報はタイムリーに更新されるとは限りません。現地に足を運んでみて、そこで風を読みながら着順を予想して、レース結果に一喜一憂する面白さを、ぜひ味わってみてください。

 

【参考】

【競艇の追い風・向かい風】4つの戦略で的中率アップ!意外にも1コースは…

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