ボートレースは、同じ公営競技の競馬や競輪、オートレースと比べて、レースに出走する数が少ないので、舟券の予想がしやすく、また的中率が高くなるので、初心者でも簡単に始めることができます。
そこで、初心者の方が出走表のデータや展示航走をみることで、当たり艇の勝ち方を予想しやすくなるので解説します。
出走表の見方
出走表には、出場するレーサー以外にも、レースに使用するモーターやボートの勝率などが記載されていて、予想をするうえで多くの要素を反映させることができます。
番号・識別
番号には、「艇番」か「枠番」と呼ばれる番号が1から6まで振っています。艇番には着順を分かりやすくするために、それぞれ色が決まっていて、1号艇:白、2号艇:黒、3号艇:赤、4号艇:青、5号艇:黄、6号艇:緑となっています。
レーサーが身につけるカポックと呼ばれる救命胴衣にも、艇番ごとの色が付けられています。
級別・登番
級別にはレーサーのランクが記載されています。レーサーは勝率によってA1級、A2級、B1級、B2級に分けられています。レーサーの強さを表しています。
登番は、レーサー登録試験を受けた際に、受験者を生年月日順に割り振った番号で、大きい番号ほどレースを経験した年数が少なくなります。
年齢・支部・体重
レーサーの年齢、所属する支部、現在の体重が記載されています。支部を知ることで、開催地の支部に所属している選手なら、コースを走ることも慣れているなど予想をたて易くなります。
フライング(F)・出遅れ(L)
ボートレースは、既定時間1秒以内にスタートラインを通過しなければならない「フライングスタート方式」を導入しています。規定時間より早くスタートラインを通過したら「フライング(F)」、逆に遅いと「出遅れ(F)」となり、出走したレースは欠場となります。
フライングを2回した場合は「F2」、出遅れを1回した場合は「L1」と記録されます。どちらも回数が増えると出走停止期間が長くなるので、出走表にFやLの回数が記載されているいのなら、その艇のスタートは慎重にならざるを得ません。
最近勝率・当地勝率と2連対率・3連対率
ボートレースには着順点といって、1着:10点、2着:8点、3着:6点、4着:4点、5着:2点、6着:1点が与えられます。勝率は、「これまでのレース着順点の合計した値」を「レースに出走した回数」で割るので、数字が大きいほど好成績を残していることが分かります。
最近勝率もしくは全国勝率には一定期間中の全レースの勝率を、当地勝率は開催レース場での勝率を表しています。
2連対率は2着以内に入る割合、3連対率は3着以内に入る割合です。
モーター勝率・ボート勝率
ボートの要であるモーターやボートの速さには個体差があるので、前日検定で抽選によってモーターやボートが選手に振り分けられます。モーターやボートの勝率、2連対率、3連対率が記載されています。
ST(スタートタイミング)
平均STは、大時計が0を指した後、何秒かかってスタートラインを通過したかの秒数をSTと言い、出走したレースの全ST値の平均値になります。STの値が低いほどスタート感覚が良いことを示します。
今回成績(今節の成績)
節とは、予選から優勝戦まで最大7日間、通常で4日から6日間までの一区切りです。ここでは今節のこれまでのレースの着順が記録されています。
場合によっては着順の下に漢数字や数字が記載されています。これは、よりレースの展開を表していて、「4三18」と記載されいているのであれば、4号艇で3コースから出走し、STは0.18秒だったことを表しています。
早見
1日に2つのレースに出走する場合、出場レース番号が記載されています。空欄の場合は、1回のみの出走であることを示しています。他のレース場の場合は「他レース」という項目が記載されています。
展示航走のチェックの仕方
出走表の見方を学んだことで予想が立てやすくなりました。さらに、展示航走では本番のレース直前にレーサーが全力でスタートやターンの練習をするので、モーターの強さや、レーサーが取りに行くコースについて確認することができます。
展示航走の流れ
展示航走の流れとしては、①スタート展示、②周回展示(2周)、③展示タイムの測定、の順で行われ、各々のチェックするポイントとしては、以下の通りになります。
①スタート展示のチェックポイント:侵入隊形→スタートタイミング→モーターの足
まず侵入隊形を確認することが大事です。どのコースを狙っているか傾向が読めるからです。しかし、あからさまにアウトコースの艇が強引にインを狙っていたら、実はブラフで、本番は枠順通りのコースであることがあり、当てにならないケースがあります。騙されたインコースの艇は、イン側をとられないようにコースを死守するため、助走距離が短くなってしまいます。
スタートタイミングの確認方法は、スタート展示したときのST値として確認することができます。フライングしても問題ないので、どの艇もギリギリのところを攻めてきます。ここで、大幅にフライングしたり出遅れたりしたら注意が必要でしょう。
モーターの足は、レースのスタート時にどれだけ加速できるかです。初心者には難しいかもしれませんが、今後の的中率UPには活きてくるので気にしたいところです。
②周回展示のチェックポイント:艇の乗り心地→モーター周り足→モーター伸び足
乗り心地とは、「艇がバタバタしているか否か」を示す言葉で、競走水面が多少荒れていてもターンがスムーズに出来ているかなどを確認します。乗り心地が悪いと、転覆や落水を恐れて慎重なターンになってしまうことがあるので、不安要素になってしまいます。逆にアウトコースの艇で、乗り心地が良いと「差し」「まくり」「まくり差し」の決まり手を狙っていけるので、高配当が期待できます。
モーターの周り足が良いと、プロペラの推進力がターンに活かされ、旋回半径が小さい綺麗なターンが可能になります。1号艇の周り足が良いと「逃げ」が決まりやすくなります。旋回するときに外側に流れる場合は、周り足が悪いということになります。
モーターの伸び足は、直線でのトップスピードのことを指し、伸び足が良いと第1ターンマークで「まくり」が決めやすくなります。この艇のST値がイン側の艇より低いのであれば、なお「まくり」の成功率が高くなります。
③展示タイムの測定:モーターの伸び足
展示タイムとは周回展示の2週目のバックストレッチで測定された、直線のタイムです。
この展示タイムは非常に重要で、1号艇の展示タイムが遅い場合は、伸び足が悪いことで「まくり」が決まってしまう可能性が高いことから、予想から外すことも考えなければなりません。0.15秒遅ければ1艇身差が出ると言われています。
逆に、1号艇の展示タイムが良ければ「逃げ」が決まりやすくなります。展示タイムはモニター画面で確認することが出来ます。
まとめ
ボートレースの展示航走は、競馬でいうパドックのような意味合いで予想に活かされますが、これほどレースの着順に関連する情報が詰まっていることを、ご理解いただけたと思います。
初心者でモーターの伸び足や周り足の良し悪しを正確に把握することは難しいですが、傾向が分かってくるだけでも的中率に反映してくるので、ボートレースがさらに面白くなります。
お住いのエリアにボートレース場があれば、出走表をみてあらかじめ予想を立てて、ぜひ現場で展示航走を確認して予想に活かして、あなたなりの「勝ち方」をみつけてみましょう。
【参考】
競艇の勝率とは?【計算方法・見方・ボーダー・枠番とコース別の傾向】
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